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◆オープンリールは録音した機器での再生がベスト◆ Osamu Terao
…と、何か違う。いや購入したデッキはSONYのかなり高級な機器で実は自身が使っていたNATIONALの安物テープレコーダ(お金が無かったので質屋流れ品を買って修理して使っていた)とは全然違う「良い」機械である。アジマスやヘッド位置の問題かとも思い、いろいろといじってみたがやっぱりダメ。 もちろんオーディオファンが言うような「良い」音を求めている訳では全然ない。大半はAM放送のリクエスト番組だし、当時の電波状況からいっても音質などそもそもアテにできるような録音ではない(それでも当時はIFTの同調をいじったり、ダンパ抵抗を入れたり、低周波段の時定数を大きくしたり、それなりの努力はしたものだが…)。ただカーペンターズの歌にある如く「Yesterdays once more!」、当時聞いていた音がもう一度聴ければそれでいい訳である。 しかし何度聴いてもどうにもしっくり来ない。ベースのラインなど不自然に遊離して聞こえるし、ハイハットやスネアの音も妙に耳障りにキンキンと響く(どっかにピークが出ている?)。スピーカも当然替えてみたが、やっぱり同じ、イコライザで何とか近い感じには持っていけるのだが、それでも曲が変わると又違和感が再来してしまう。それで最後にはとうとう諦めて「やっぱり同型の機械でないとダメ…?」ということで、アホらしくも今度はそのNATIONALの安物の方を探すことにした。 御存知のように当時のアナログ録音における高周波バイアスの設定はそれこそ千差万別で、テープに使用されている磁性体の種類、録音のレベル、録音ヘッドの形状・材質・状態などによってそれこそ一台一台違っていた。そのような異なった状態において個別に異なった種類のテープ(磁性体)に記録された「音」の軌跡など「そう簡単に補正できるようなシロモノでない…」と悟ったという訳だ。 約一ケ月ほどウォッチを続けて後、幸運にもその機械にめぐり合えたので「待ってました!」とばかりにさっそく落札、例のごとく到着後に若干の修理を施して再度、同じオープン・テープをかけてみた。…と、やはりというか、ピッタシ・カンカン! 今度はちゃんと当時の「懐かしい音」が再生された。 音刺激というのは基本的に人間の情動と結びついて記憶されているそうだから、そういった詳細まで判別できるらしいのだが、もし同様な違和感でせっかくのオープンリール・ライブラリーが「楽しめない」方がおられたら、ぜひ「(安物でも)昔の機械で再生を」と一言、申し上げておきたい。
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